はじめにハイボンドRUSの特徴についてご紹介します。

1. 高強度で引裂強さが大きく、伸び率が高いので切れにくく耐久性に優れています。
2. 超速硬化で施工後数分で塗膜強度が発現し、標準仕様では1日で施工が完了するので工期の短縮が可能です。
3. 強靭な塗膜は耐荷重性、耐衝撃性に優れ、割れや亀裂が極めて起こりにくくなっています。
4. 厚い塗膜は防食性、防水性に優れます。
5. 吹付工法なので、凹凸がある箇所にも均一な塗膜を形成します。

今回施主様のご依頼によりハイボンドRUS HG工法が採用されました。ご依頼内容は工場天井デッキ鋼材の腐食が進み腐食材が落下。床面から天井までの高さは約18mあり小さな破片でも大変な事故に繋がりかねません。対象箇所の下には通路、機器があり安全対策として補修を実施することになりました。耐応年数は将来的に工場閉鎖が決定している為2年程で低コストでの補修を希望。この条件をふまえ補修にはいくつかの方法が検討されました。

プランA 鋼材を溶接もしくはリベットで補強する方法。火気厳禁エリアと溶接熱により屋上防水層の塗膜を痛めてしまう恐れがある為溶接は却下、リベット留めも既存鋼材の強度に不安があるのと万が一張り付けた鋼材が落下した場合大事故になる為却下。

プランB FRPによる補修。鋼材に比べ軽量となるが伸び率が低い為FRP層ごと剥がれ落ちる危険があるのと火気厳禁なので下地処理条件をクリアできない。

プランC ハイボンドRUS HG工法ではFRP同様に下地処理条件が問題ですが、活膜塗膜以外はハンドツールにより除去する方法で耐えうると判断。プランA・Bでは腐食落下のタイミングが読めないないが、伸び率の高いハイボンドRUSは落下する前に塗膜の膨れを目視で確認出来るため発生前に事故防止対策がとれる。

プランD 防錆処理を行い一般的な塗装で補修。発錆を抑える事はできるが、破片の落下は一般的な塗料の塗膜では抑える事ができない。また、厚膜形ウレタンの検討もあったが設備、機器搬入等大型になるため施工費、仮設費が高額となる為却下。

以上内容により本案件にはプランCが最適であると判断され採用となりました。

施工前の腐食状況です。鋼面は朽ちており原形がない箇所もあります。小さな破片でも鋭利なものもあり大変危険な状態です。

補修作業用の足場を設置します。この高さから破片が落ちると考えただけで鳥肌が立ちます。

下地処理、防錆処理材を塗布後、特殊なゴムシートを貼り付けていきます。シート強度、塗膜強度の2重ブロックで腐食部を補強します。

健全部とシート同士の重ね代をとり弱いところには2重に貼り付けて完了。

シート貼り付け後、専用プライマーを塗布してハイボンドを吹き付けていきます。専用ガン、専用ノズル、専用カートリッジで吹き付ける事により超速乾、高強度塗膜形成を可能にします。

ハイボンドを吹付後、内部なのでトップコートは無しでも十分ですが標準仕様とおりトップコートまで塗布し施工完了。
塗膜厚は3㎜以上の厚さを形成します。

施工に掛かった日数は足場組立1日間、塗装作業2日間、足場解体1日間。実稼働日数4日間で作業を終えました。施主様から与えられた作業日数は1週間以内で、入念な計画、段取りによりスムーズに作業を終える事ができました。
ハイボンドRUSは高速道路剥落防止等にも多く採用されておりアイデア次第で様々な用途があります。
また、専用ガンと小型コンプレッサーで施工出来るため現場での段取りが容易であり設置面積も小さく済みます。補修作業に大きな設備が不要になる為、コスト削減にも貢献します。

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